■サービス利用のポイント

福祉の相談窓口を利用する

障害の残った状態で病院から退院したり、認知症が疑われる場合など、介護サービスが必要と感じられたら、住んでいる市町村にある相談窓口か地域包括支援センターに電話で相談してみるといいでしょう。

介護保険認定の申請をする

介護保険認定は申請してから結果が出るまで1ヶ月ほどかかります。自宅でも調理や掃除などの家事全般はできるが、時々めまいがして気分が悪くなる、手足が痛くなって今までできていたことができなくなったなど、体調が良い時と悪い時の差が極端にあり、その時身近に世話してくれる方がいないという方には介護保険認定を受けておいた方がいいと思います。しかし今特に困ったことはないという方には急いで介護保険手続きをする必要はないと思います。

要介護または要支援と認定された方は、介護保険認定の申請をする

原則として、申請から30日以内に認定結果が通知されます(郵送)。介護が必要でないと判定されれば「自立」、介護が必要と判定される場合は、下の7段階の中で該当する要介護度が記されています。

要介護度認定の目安
要支援1障害のために生活機能の一部に若干の低下が認められ、介護予防サービスを提供すれば改善が見込まれる
要支援2障害のために生活機能の一部に若干の低下が認められ、介護予防サービスを提供すれば改善が見込まれる
要介護1身の回りの世話に見守りや手助けが必要。立ち上がり・歩行等で支えが必要
要介護2身の回りの世話全般に見守りや手助けが必要。立ち上がり・歩行等で支えが必要。排泄や食事で見守りや手助けが必要
要介護3身の回りの世話や立ち上がりが一人ではできない。排泄等で全般的な介助が必要
要介護4日常生活を営む機能がかなり低下しており、全面的な介助が必要な場合が多い。問題行動や理解低下も
要介護5日常生活を営む機能が著しく低下しており、全面的な介助が必要。多くの問題行動や全般的な理解低下も

サービス利用の前にケアプラン作成

利用にあたっては、利用者が希望するサービスを効率よく提供できるようにケアプランを立てることになっており、ケアプランは介護支援専門員(ケアマネジャー)に無償で作成してもらうことができます。サービスの種類やサービス事業者については、利用者が自由に選べますが、介護保険によるサービスには要介護度ごとに上限金額が定められていて、それを超えて利用する場合は全額自己負担となります。なお、ケアプランを自分で作成することもできますが、作成したケアプランを市区町村に届け出て、確認を受ける必要があります。また、ケアプランを作成しないでサービスを受けると、サービス料金について、いったん全額を立て替えて、後日、介護保険から払い戻しを受けるようになりますので、注意が必要です。

サービス利用の前に事業者との契約

ケアプランを作成したら、個々のサービス事業者との契約を経て、いよいよサービスが始まります。契約に際しては、記載内容をよく確認しておきましょう。また、利用開始後の疑問や不明な点があれば早めに事業者に説明を求めるようにして、苦情については相談窓口に相談するようにしましょう。

認定結果が非該当者でも介護予防を受けられるか?

認定結果が非該当であったとしても、要介護・要支援状態になる「おそれがある」ことが明らかであれば、地域包括支援センターのマネジメントのもとで、介護予防プログラムを受けることができます。約20問の質問をして、その回答結果から介護予防プログラムを受けたほうがいいかどうかを割り出し、本人の同意があればプログラムを具体的に組み立てて実施することとなります。

サービスの「効果」を測る

サービスは、提供しっぱなしでは、本当にそれが実になったのかどうかがわかりません。介護保険制度においては、特に要支援者向けの「予防給付」と、特定高齢者(要介護・要支援になるおそれのある状態の高齢者)向けの「介護予防プログラム」(介護予防特定高齢者施策)について、一定期間後に効果を評価して、必要であれば見直します。